生きて兆まで届く劣情

悶々と日々は続く

耳から脳へ溶けだす劣情

昨日のブログはなんだか妙に叙情的になってしまいました。失礼いたしました。深夜の馬鹿力で無理やり似非乙女にされてしまうところでした。今後は厳重に警戒致します。

という訳で本日はネタが急流下りしそうな匂いがします。身体を崩されないように窓を開けて換気しながら使用なさることをお勧めします。

私の趣味はASMR動画を視聴することです。

少し、嘘をつきました。

私の趣味はASMR動画を視聴して脳天から腰にかけて流れるキモチイイ電流に反応して勝手にびくんびくん跳ねるすけべな腰を悦ばせることでございますお嬢様。お許しください。ついでに虫を見る目で見下してください。

私はどうやら人よりも聴覚情報に敏感らしい、と気づいたのは中学校の修学旅行で行った遊園地でした。その遊園地には体験型ホラーハウスのような施設がありました。その施設は4DXのホラー映画を観る部屋と真っ暗な部屋でバイノーラルのホラー音声を聴く部屋のふたつの部屋に分かれており(ストーリーは別)、私はホラーが苦手な友人に誘われ、4DXの陰に隠れて貸切状態のバイノーラル部屋に入りました。時間が来ても結局2人きりのまま、赤いジャンパーのお兄さんが電気を消しドアを閉めて下さり、ヘッドフォンから音声が流れ出しました。

吸血鬼のなんたら男爵「ようこそ、わg

2人「「いぎゃああああぐああああ@¥$#*?!!

 

開始3秒も経たないうちに私たちは絶叫していました。友人は恐怖のために。そして私は、はじめて感じた腰の浮遊感とつむじから首筋へ下りるとめどない鳥肌のために。

正直この後の内容は覚えていません。勝手に反りまくり続ける背中を何とかおさめようとすることに必死でした。最後に扉が開いて入っていらっしゃった赤ジャンパーお兄さんに、終始恐怖に叫び続けていた友人が一番の大絶叫を披露していたこと以外何も覚えていません。

私は幼少期から、耳元で囁かれたり何か音を立てられたりしてびくっとなることが頻繁にありました。その反応は誰にでも共通なのだろうと思っていました。ところがそのホラーハウスで、友人は、じたばた椅子の上で身をよじり悶えている私を尻目に微動だにせず悲鳴だけをあげ続けていたのです。ちょうど、内容に関しては特に恐怖を感じるポイントが分からず、青ざめ絶叫する友人には目もくれず一心不乱に喘ぎ声をあげ腰をくねらせ続ける私のように。その時はじめて、私はASMR(脳内絶頂反応)を体験し、さらに自分が「耳が弱い」人間なのだと知りました。

それから私はASMRという単語を知り、その類の動画を漁り片っ端から聴き潰しました。囁き、地声、耳かき、タッピングなどのメジャーでライトなものから、耳舐めや咀嚼音などディープで人を選ぶものまでとにかく聴きまくりました。その結果、私は男性の低音ボイスが右耳の斜め後ろ約15°または頭の真上から降ってくるとどうしようもなく抑制が効かない身体になってしまいました。わかる方にはわかって頂けると思うのですが、ASMR動画は聴けば聴くほど慣れるということはなく、耳や脳の感度が研ぎ澄まされてゆきます。現在の私は、条件次第では自分に話しかけていなくても男性の声が斜め後ろから聞こえるだけで気持ちよくなるくらいの感度に育ってしまいました。

弱いなら聴かなければいいのに、と思われるかもしれませんが、この耳から入った音で脳が溶け、首の付け根から腰あたりの糸が引っぱられ自分でも引くほど腰が浮く、という感覚が気持ちよすぎるのでやめたくてもやめられないのです。なんだかイケナイお薬のようだなあと思いますがまた求めてしまうのです。こうして人は何かに依存してゆくのだな、とはじめて依存症のプロセスが分かりました。

 

防ぐことは知ることから始まる。精神と身体の健康のために、皆さんASMR動画をお耳に入れることをおすすめします。